2010-お金は資本家の資産として蓄積される

Q :

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Ans :

ヒトは、稼いだお金の7割は消費をします。お金が稼げない場合は、貯金から最低限のお金を切り崩すか、社会保障により最低限の生活を保障してもらえます。

社会全体の消費量が減ると、その等価としての供給量が減るわけで、その等価として社会全体の所得が減ります。つまり、GDPが減ります。現在は、第三次産業による割合が7割くらいあり、第三次産業(サービス業)は、在庫することができず、ヒトがその場でサービスを消費しないと、生産することができない産業です。このような経済活動の縮小時は、影響が大きくなりますね。

社会にあるお金のパイは、変わらないですが、給料(フロー)でまかなっていたお金が、貯蓄(ストック)からまかなわれている量が多くなっていくと想定されます。

ちなみに、アベノミクスで、異次元の量的緩和をしたので、お金は日銀当座預金にたくさん余っています。そのお金は、本来、民間銀行が、民間企業に、おカネを貸し出しやすくする目的で、増やしましたが、結果は、民間銀行の民間企業への貸し出しは増えませんでした。

つまり、余ったお金は、貸し出されずに、銀行に積まれていた状況です。この銀行に積まれていたお金は、政府が発行する国債などの購入に回されていました。より、国債は、買い手がおり、安泰でした。

また、余っているお金は、本来なら、企業の設備投資に回されて欲しいのですが、実際は、株式投資に回っています。株価は、急激に回復して、2020/01時点に戻りつつあります。

株価は、経済の実体を先取りしていると言われますが、どちらかと言えば、余ったカネが行き場をなくして、投資に向かっているだけ。が、株価が良いと、企業経営がしやすいのも事実で、それで、企業が設備投資、開発投資に前向きになると、景気が良くなる。アベノミクスでは、法人税も下げて、企業の投資の活性化を促進しましたが、内部留保が増え、労働分配率が思ったほど変わらないという事象になりました。

今回、持続化給付金や家賃補助などの施策が打たれました。

家賃は、最終的には、家賃を受け取る家主に集まります。家主は、だいたい、銀行から借金して建物を建設しているので、家賃は、銀行に返済するお金になります。

持続化給付金は、銀行から借り入れている借金を、月々滞りなく払わないと、その企業は不渡りを出すことになるので、最終的には、銀行に集まります。

民間銀行は、お金を、万年筆マネー(Money Creation)で、ゼロから作り、それを、企業に貸しています。で、企業はそのお金で、設備投資などをして、事業を回しています。民間銀行の貸し出しは、経済の潤滑油であり、これが滞ると、恐慌になります。

民間銀行は、信用をもとに事業を行っており、リーマンショックでは、金融機関の信用縮小が起こり、恐慌となりました。新型コロナでは、信用縮小が起きていないと判断され、恐慌にはならないと思われます。