2010-インフレ・デフレについて

Q :

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Ans :

ヒトの社会は、創意工夫の中で、年率2%の改善が普通に行われています。普通にしていても、生産量が2%上がる、つまりは2%は経済成長するものなのです。

経済規模に合わせて、貨幣量が相当量で供給されないと、物量と貨幣量が釣り合わず、物価が変動します。貨幣が相当する量、発行されないと、貨幣の価値が上がります。

ただ、話は単純ではありません。

供給された物品は、消費されないと価値を生みません。

供給と需要は、競争市場でバランスさせる経済の仕組みになっています。高度成長期は、モノ不足でモノへの欲求が高い時代でした。このような場合は、市場にものを供給すれば、それが消費される時代で、供給力があがれば、経済が成長しました。

が、現在は、モノ余りでモノへの欲求が低くなっていると言われています。このような場合は、需要が喚起されないと、生産されたものは消費されません。

インフレの場合、トレンドとして、貨幣の価値が減価し、モノの価値が上がっていきますので、ヒトは、そのものの価値が上がる前の相当の価値で消費しようとするインセンティブが働きます。

デフレの場合、モノの価値は下がっていくので、ヒトは、そのものの価値が下がって、相当の価値になったら消費しようとするインセンティブが働きます。

つまり、デフレだと買い控えが発生し、市場が活性化しにくくなります。

上述は、モノについてですが、貨幣については、以下となります。

貨幣は、経済の規模に合わせて、相当量が供給される必要があります。それは、物価の安定のためです。生産性は、潜在的に2%成長しますので、貨幣の量も2%増やしていくことで、モノの量と、貨幣の量が釣り合います。

ただ、話は単純ではありません。

貨幣を市場に供給する仕組みは、民間銀行に任せれているからです。民間銀行が、民間企業に融資したり、民間個人にローンを貸し付けたりすることで、市中の貨幣量が増減します。信用創造(Money Creation)といいます。

モノの量に合わせて、貨幣量を増やすには、企業が融資を受けたり、個人がローンを組んだりする必要があるのです。

企業も個人も、未来を予測して、元金と利子の返済が可能と判断するのであれば、お金を借ります。返せる信用があるから、借りられるのです。

民間銀行の利子率が、インフレ率よりも低ければ、借り得となります。 一般的に、インフレに比例して、雇用者の収入は増えますので、インフレの場合は、借金をしても返しやすく、借りようとするインセンティブが働きます。つまり、貨幣量が増えやすいのです。

逆にデフレであれば、貨幣の価値が高くなるので、返済する貨幣の価値も高くなります。より、借りようとするインセンティブは働きません。

上記のように、自由市場の仕組み、信用創造の仕組みは、インフレの場合に、うまく機能しますが、デフレの場合は、市場にいる主体のインセンティブがうまく働かなくて、政府が介入しないと機能しません。

高度成長期は、モノ不足であったので、インフレ率が5%以上になりました。

が、自由市場として、適正なインフレ率は、2%とされています。 高度成長が終った国々を、統計的に観察した結果と思われます。生産性の向上率と、貨幣量の増加量など均衡し、投資のインセンティブを考慮しているのかと思います。 ナイス!

なお、ハイパーインフレは、1000%くらいのインフレを指すので、普通に生活していれば、悪いことだと判断されます。

経済を安定するには、雇用の安定と、物価の安定が、基本ですので、物価が乱高下することは、良くないのです。

マスクは、適正な金額で買いたいですよね

==== 追記、高橋洋一先生の書籍の記述で

フィリップ曲線(物価と失業率の関係をグラフにしたもの)で 失業率を2.5%までに減らす場合に、インフレ率が2%あたりになるという統計があるようです。

政府は、失業率を減らし、雇用を安定するために運営されているので、インフレ非加速的失業率(NAIRU)の2.5%を目指して失業率を下げることを目標としていて、失業率とインフレ率の相関で、 インフレ率2%がターゲットになるとのこと 「明快 経済理論入門 72p 高橋洋一 あさ出版」の記述をもとに記載。