2010-信用創造の計算(高校の政治経済)

Q :

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Ans :

Xさんが現金500万円をA銀行に預金したとする。支払準備率を10%とすると、A銀行は、支払準備金 (a. 50010%=50 )万円をのぞいた (b. 500-50=450)万円を融資に使える。これをYさんが借りてB銀行に預金したとする。B銀行は支払準備金を除いた(c. 450-10%(450)=405)万円をZさんに貸し、ZさんはこれをC銀行に預金したとする。 この場合、ABC各銀行への預金総額は、(d. 500+450+405=1355)万円となる。(d)万円からはじめのA銀行への預金500万円を引いた(e. 1355-500=855) 万円が信用創造で作られた預金通貨である。融資はその後も続くので、理論上、最初の預金額の1/支払準備率倍の(f. 500*(1/0.1)=5000)万円まで預金を増やすことができる。 最初のA銀行への預金額を差し引くことで得られる信用創造された額は、(g. 5000-500=4500)万円となる。

================ ちなみに、

みなさんご指摘のように、銀行は、10%分の支払準備をしますが、個々の貸出に対して、上記のような計算はしていません。 基本的に、与信して、その査定に基づき、相手の通帳に、万年筆で金額を書くことで、お金を生み出します。これを、Money Creationといい、日本語では、信用創造といいます。 相手が借りた金を返せるという信用度をもとに、おカネが作られます。

ただ、それだと、無尽蔵に銀行が、相手を信用して貸し出しを行うことが想定されます。貸し倒れが発生すると、無から万年筆でお金を生み出しているので、銀行は、本当は痛くもないのですが、簿記上は、そこを管理して、貸し倒れは、企業経営上問題となります。貸し倒れは経済を秩序だって運営したいという要求に反し、経済を不安定にします。

不動産バブルや、サブプライムローン等、ルールの抜け道を使って、大量の貸付を行ったため、信用縮小が起き、経済が不安定になりました。

経済は、信用で成り立っているのです。

で、国は、銀行が無秩序な貸し出しを行わないように、いくつか制限をしており、その一つに、準備金制度があります。