2101-先進国の中間層

Q :

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Ans :

ピケティ教授が、資本主義の定常状態として、 g<rが成立することを、明示しています。

先進国の場合、第二次世界大戦後に、 生産資本の破壊、人口ボーナス、科学技術による生産性向上が 重なり、g>rの珍しい時期であったと言及しています。

先進国の中間層は、g>rの時期に、 労働分配率の向上や累進課税などが行われ、中間層が形成 されました。

日本でも、バブル前に不動産を購入している 団塊の世代以上の70歳以上は、資産形成をしやすい状態で、 日本の金融資産の80%を保有しています。

技術発展、作業効率化による生産性向上は、統計的に、 年率2%程度といわれています。

年率2%以上の生産性向上は、アメリカ等で盛んにおこなわれていますが、借金や投資による将来の生産性の向上の先取りでしかありません。

経済学的に見て、年率2%程度が、経済成長の定常状態です。

とはいえ、先進国で、経済成長率が長期低迷で、1%代のところも ありますね。

財政政策を行うべきところ、きちんと行われていないのではないかと 思います。 2010年前後に、新自由主義イデオロギーで、緊縮財政を 正とする政策がうたれましたので、それが影響しています。

財政政策は、金融のグローバル化で、投資したおカネが、国内に 留まらず、海外の金利のいいところに逃げてしまうために、効かなく なっています。乗数効果は期待できません。

g<rだと、資本家におカネが集まりますので、中間層は、 徐々に、裕福ではなくなりますね。これは、政策のしわ寄せかは 不明です。

財政政策は、恣意的に、既得権益におカネを回すことになるので、 よくないです。ただ、GoToのように、影響を受けた産業分野を ターゲットに実施するのは、ありかと思いますよ。

ご指摘の通り、 既得損益におカネが回りやすい政策よりも、 一律給付とか、Basicな補助とかの方が、政策としては良いと 判断されていくと思われます。