2011-デフレギャップを埋める

Q :

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Ans :

デフレギャップとは、 潜在の供給力に対して、需要量が少ないことを指します。

つまり、景気対策は、以下の2点が想定されます。 ①潜在の供給力を減らす ②需要量を増やす

①潜在の供給力を減らすとは、斜陽な産業に、固定的に複数の企業がゾンビのように存在しているために、そのゾンビ企業が持つ供給力が大きく、需要を上回っているということです。 この場合は、需要とバランスするように、供給力を減らす必要があります。 これは、競争市場で自然と見えざる手で調整されていくものです。

ただ、政治と結びついた産業が、既得損益を守り、本来、ゾンビとして淘汰されるべき産業なのに、財政出動などで市場競争をゆがめ、ゾンビを存続させてしまう場合があります。 この場合の政策としては、ムダな財政出動を控えて、市場の淘汰に任せるということになります。

②需要量を増やすとは、市場の需要が、供給量に見合うくらいに、増えるように働きかけるということです。 市場の需要は、家計の需要と、企業の需要と、政府の需要があります。

1)家計の需要を増やすには、家計の使えるお金を増やすということです。

現状の日本は、家計の40%?が65歳以上の高齢者の家計であり、貯金を切り崩して生活しています。老後不安から、この層の消費の活性化は難しいのですが、例えば、相続税を80%召し上げるなどとすると、死ぬ前にお金を使おうというようになるかもしれません。

20歳から子育て世代は、収入の80%が消費に向かう(消費性向)があるので、この世代の給料を上げることで消費が活性化します。

アベノミクスで、政府は、企業に賃金アップを依頼していますが、企業は、稼いだ金を内部留保に回したり、利益は、株主に還元したりで、労働者には配分されていない状況です。

ただ、インフレになると、物価が上昇するために、あわせて労働者の賃金を上げることになるので、政府としては、インフレ目標を掲げています。が、なかなかうまくいっていない実情があります。

新型コロナで、消費が落ち込みました。その対応として、定額給付金を一律で配り、消費を刺激しました。このような対策の効果を今後ははかっていく、政策を決めていく必要があります。

2)企業の消費を増やす

企業が消費を増やすとは、つまり、企業の設備投資、開発投資を増やすという施策です。企業は、利益を出すために活動していますので、設備投資や開発投資が将来の利益を生むのであれば、投資します。

不況時は、将来の利益を生む投資判断ができずに、投資が停滞しやすいです。政策としいては、企業が投資をしやすいように、補助したりする施策になります。経済特区のような成長分野に特化した支援なども考えられます。

3)政府の消費を増やす

家計と企業が消費を増やさない以上、政府が消費を増やすのが、もっともやりやすい政策ですね。

公共投資などで、政府が消費を増やすと、それにより、乗数効果で、経済全体が刺激され活性化されるとされていました。(ケインズ

が、金融がグローバル化されて、政府の投資したお金が、海外の投資に回ってしまい、乗数効果はあまり期待できないと、今はされています。

が、政府がお金を使うと、真水のおカネが市場に供給されるので、企業がそれを受けて、設備投資などが活性化することが期待されます。 ナイス!

追記:

1)家計の需要を増やす で、 消費税を増税しないという政策がありますね。採用されませんでしたが。。。