2012-国債発行とは

Q :

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Ans :

国債を、政府がしている借金です。

政府は、死ぬことがないので、ずっと借金をし続けることができます。つまり、借金を返済する時に、新たに借金(借金の借り換え)をして、その借金を返すことができます。

これができるのは、政府に信用があるからです。

政府の借金を貸しているのは、民間の銀行です。民間の銀行は、政府がお金を貸しても返してくれると信用しているので、国債を購入します。

民間銀行は、本来であれば、もっと利率のいい債券を購入すればいいのですが、安全資産として、国債に投資しています。 民間銀行は、アメリカのデフォルトの可能性がある債券に投資して、利益を出すことも可能ですが、デフォルトが出ると、その銀行は潰れる可能性があり、リーマンの頃の投資の失敗などもあるので、基本、リスクのある債券には投資せずに、国債に投資しています。

民間銀行は、基本、顧客から預かった資金を運用して利益を出すビジネスをしています。民間銀行が運用より得た利益等は、顧客に還元されます。

民間銀行の顧客は、民間個人(国民)です。民間個人の金融資産は、年々増えています。

つまり、政府が出した国債は、回りまわって、民間個人の金融資産になっています。これは統計上も明らかです。

上記を縮めていうと、 国債は、政府の借金であって、国民の借金ではない、むしろ国民が政府にお金を貸している・・・という主張になります。

政府の借金は、政府が返します。

ただ、以下の事実を知る必要があります。

基本的に、政府は、財政を黒字になるようには運用していません。

新国立競技場が、ペイしないとかで話題になります。 例えば、沖縄の首里城を再建しますが、これもペイしません。 例えば、洪水で、過疎地に続く橋が流されても、市町村は、この橋がペイしなくても、再建します。

企業であれば、ペイしないものには投資しません。投資して、将来的に利益がでて、投資した分、戻ってくることを、企業は計画し管理していきます。

政府は、投資してもペイすることを管理しません。つまり、政府の投資はペイしないので、黒字にならないのです。(ペイするように管理すれば、徐々に黒字化もできるかもしれませんが・・)

政府の赤字は、基本、インフレで払います。国債により調達した財政出動が、経済成長を生み、経済がインフレになると、国債を償還するころには、インフレにより減価し、返済ができるのです。

ペイしないといいましたが、全体として、経済成長に寄与する財政出動なら、意味があるのです。

1998年の前までは、赤字国債は、インフレにより返済が可能でした。が、1998年からは、デフレのため、返済が滞り、赤字国債が積みあがっています。

経済が成長してインフレにならない限り、返済できず、借り換えていくしかないのです。

ただ、勘違いしてほしくないことがあります。

基本的に、政府は借金する必要はないのです。

政府は、経済の安定のために、活動する役割をもっています。政府は経済を安定させるために借金をしているのです。

経済では、以下の①+②+③=ゼロという恒等式が成立します。

①民間の黒字(or赤字) ②政府の赤字(or黒字) ③海外との取引の収支

今は、 民間企業が、設備投資や開発投資をせず 民間個人が、高齢化で、住宅ローン等を借りるヒトが減ったため ①が、黒字なのです。 より、政府は赤字になっています。

政府が黒字になるには、 民間が赤字になる必要があります。

つまり、 民間企業が、設備投資や開発投資をバンバンやり 民間個人が、住宅ローン等をバンバンする ことが求められます。1990年初頭のバブルの頃のイメージです。

実際、政府が黒字だったのは、1990年のバブルの頃以外ないです。

政府を黒字にするには、バブルが発生するくらいに、民間が リスキーに振れる経済状況を想定することになり、あまり良いとは 言えません。

以上は、つまり 政府は、民間が借金をしない代わりに、借金をしており、 その借金はインフレにならない限り、返せない。より、その借金は 借り換えていくしかないのです。

経済理論的に、そのような状況です。

日本の円は、日本国内でしか使えないですが、なぜ、日本の円が日本国内で信用を得ているかがポイントです。

MMTという理論では、 日本政府は、日本国民から税を取ることができて、その税が日本円となります。日本に住む国民は、税金を払うために、日本円が必要であり、日本円を毎年稼いで、日本政府に支払う必要があります。

この日本円で、日本政府に税金を納める必要があるということが、日本円が日本にて、信用を得ている理由としています。

日本円に信用がなくなると、国債が売れなくなると想定されます。日本円で、日本国民が、税金を納める以上、日本円を必要とするため、日本円は信用があり、日本国債も売れるということです。

日本国債は、つまり、日本円を、市場に流通させるために発行しているということができるのです。

日本円に信用がなくなると、国債は売れなくなり、借り換えもできなくなると想定されます。